死ぬのは怖かったけど、いなくなりたかった話
先日、WoL(生き方)コーチングのページをアップした時に、クライアントさんに読んでもらってフィードバックをもらいました。
「私自身が私の人生を自ら選び直し、今やりたいことをして、幸せを日々感じる暮らしをしている」
「この部分に関して、中野さん自身の体験談をもっと詳しく聞きたい。」
と言っていただいたので、自分のことをお話ししてみようと思います。
こういうところに書いても差し支えのない範囲で。
僕は最終学歴でいうと、高校中退です。
世の中では中卒よりも高校中退の方が印象が悪いそうですね。
中学の時卓球にはまり、部活のことしか考えていませんでした。
そして、高校もその推薦で入学しました。
しかし、高校1年の終わりの頃、膝の痛みと、目標を見失ったことによる挫折と、天狗の鼻を折られたことによる無力感で、部活をやめます。
それから、同級生に売ってもらったギターにはまり、ギターばかり弾いていました。
当時高校には軽音楽部が無く、当時の仲間でまず軽音同好会を作ろうということになりました。
顧問になってくれる先生を探したのですが、なかなか見つかりませんでした。
しかし、その時ちょうど校内の他のバンドの連中が、うまいこと先生を巻き込んだのです。
これで同好会、そして軽音部が作れると喜んでいたのですが、そのバンドの連中から集団リンチを受けました。
他にもやっている奴がいるのが気に入らなかったようです。
そんなこんなのことがあり、勉強の成績はかなり良い方だったのですが、良いまま2年の終わりに高校を中退しました。
しばらくは在学中からバイトをしていたコンビニのバイトを続けていました。
そのころは駅前でストリートミュージシャンもしていました。
なんとなく常に孤独感や無力感があり、寂しさかったのを覚えています。
歌が上手いわけじゃなく、ギターも上手いわけじゃない。作詞作曲のセンスもあるわけではない。
そのころはストリートミュージシャンがたくさんいて(ゆずが流行ってました)僕より上手かったり、作詞作曲に優れている人ばかりでした。
だから、僕はそんなミュージシャン連中に注目されたくて、変わった曲ばかり作っていました。
ミュージシャン受けはまあまあだったかもしれませんが、お客受けは良いものではありませんでした。
しばらくコンビニのバイトをしていましたが、いい加減何か仕事をしなければと思い、まず運転免許をとりました。
そしてハローワークに赴き、高校中退でも仕事をさせてもらえるところを探しました。
ある照明器具の内装業者が見つかり、仕事をさせてもらえることになりました。
僕は飲み込みが早い方で、どんどん仕事を覚えることができました。
好きな作業内容ではありませんでしたが、「できる」という感覚が心地よかったのは憶えています。
しかし、その会社は社長の息子さんと衝突し、辞めてしまいました。
その後、運転手くらいならできるかもしれないと、トラックの運転手の面接を受けました。
採用されましたが、研修ということで工場の「誰にでもできる簡単な軽作業」に回されました。
誰にでもできるので、僕にもできるのですが、やはり面白いものではありませんでした。
どうも、最初から運転手にするつもりはなかったらしく、いつまでもこんなことやってられないと思い、それも辞めました。
やはり音楽が好きだったので、近所にあったライブハウスでバイトをさせてもらうことになりました。
これはとても楽しかったです。毎日いろんな音楽を聴いて、いろんな人と交流して、とても刺激的でした。
当然収入は足りないので、父のコーヒー焙煎士の仕事の手伝いをしました。
主に配達でした。焙煎もしました。焙煎は楽しかったのですが、基本的に仕事はサボってなんぼだと思っていたので、
配達に行けば、どこかで休んでる。
夜になったらライブハウスで飲みながら楽しく仕事。
そんな毎日でした。
そのうち、そのライブハウスは閉店しました。
コーヒーの方の仕事も、父が一人でやろうと思えばできる仕事を僕とシェアしていて、
しかも僕がサボっているという状況でしたので、給料が遅れたりすることが度々発生しました。
そこで、やはりどこか外に就職しようと思い、新聞の折り込みの求人から、学歴不問の仕事を探し出して、健康食品の販売会社に就職しました。
このころは「仕事はとにかくお金をもらうためのもの」と思っていました。その会社は出来高でお給料が増えるシステムでしたので、
どんなことをしてでも稼いでやろうと思い行動していました。
売れていない人とは交流しない。群れない。
当時の日本一の売り上げの社員さんのところに通って販売手法を教わったりしました。
そこそこ稼ぐことはできましたが、やはり常に孤独感がありました。
お金を稼ぐためだけに入社したので、稼いでいない人を見下していました。
いつもなんとなく寂しかったのを覚えています。
それからいろんなことがあり、その会社も辞めました。
それから、友人が立ち上げたベンチャー企業に入社しました。
出資してくれている人がいて、ろくに仕事をすることなく固定給をもらえるような状況でした。
僕はよくわからない広告の外回り営業をしました。
友人との会社ということで社内では楽しいこともありましたが、
営業自体は出社拒否をするくらい辛いものでした。
その会社も、いろいろあって消滅しました。
それから、ネットワークビジネスに挑戦したりもしました。
最初こそうまくいきましたが、どうしても業態自体が好きになれず、それも辞めました。
そのころ、コーチングというものに出会いました。
ベンチャー企業でやってたころのお客さんに拾われて、カメラの販売をする会社のお手伝いをしました。
この時の仕事はほとんど自宅でさせてもらっていたので、自分のために使える時間がそれまでよりも格段に多くなりました。
コーチングに触れていたことで、「自己認識なくして自己実現なし」という考えが身につき、まず自分を振り返ることを始めました。
恥ずかしながら、この時初めて気づきました。
僕は、
「やりたい放題やって生きているようで実はそうではなく、嫌なことから逃げているだけで、何がしたいのかと言われると特に何かをしたいと思っているわけでもなく、自由だなんだと口当たりのいいことを言って現実逃避して、消去法で生き方を選んでいるだけ」
だと。
僕は、「生まれ変わったらくらげになりたい」なんて思っていました。
死ぬのは怖かったですが、いなくなりたいと思うことはたくさんありました。
この気づきは自分にとっては辛いものでもありましたが、そういう自分に気づくことができてとても良かったと思っています。
まず、そういう自分を受け入れることから始めました。
確かに今まではそういう自分だった。そんな中、自分なりにやってきたこともあるし、いろんな失敗から学んできたこともあるし、そこまで生きてこれたのはたくさんの人が支えてきてくれたおかげで、そんな支えてもらえる自分でもあるんだと、気づきました。
過去は、変えられる。
人間の行動や思考の80%は無意識で、その無意識は過去からの癖で、その癖は過去の思考や行動の積み重ねで、つまり80%は過去でできている。
だからこそ、過去の捉え方、見方、角度、視点を変えることで、自分に対して自分の過去が与えてきた意味合いが変わってきて、それによって自分の見え方や、無意識の思考や行動が変わってくる。
そんなことを学びました。
プライベートでも様々なことがあり、もっと自分を大事にしようと思うようになりました。
自分を大事にしようと思うようになると、不思議と「もっと人の役に立ちたい」と思うようになりました。
昨日もブログで書きましたがやっぱり「人は自分の心に満たされた感情を誰かにシェアしたくなる生き物」なのです。
自分を大事にする、そういう気持ちが溢れ出して、周りの人も大事にしたい、世の中の役に立ちたい、そう思えるようになりました。
そこで僕は、本格的にコーチングを学ぶことにしました。
世の中には過去の僕と同じように、漠然とした無力感や寂しさ、不安や焦燥感、生きる目標が定まらないことによる、様々な心の訴えを持つ人がとても多いと感じたからです。
みんなが、夢ややりたいこと、目標、本来の自分、をういうものを見出し、受け入れて、「どうしたらいいのか」ではなく「どうしたいのか」をしっかりと見直すことができる社会になったら、日本はもっと明るくなると、真剣にそう考えることができたのです。
だから、そのためにコーチングを学びたいと思い、入門しました。
そのころ、お世話になっていた会社の社長の計らいで、かなり大きな会社の入社面接を受けさせてもらえることにもなりました。
しかし、面接自体で自分をアピールしたりすることはありませんでした。
二社目の紹介の話をいただいたところで、お断りしました。
それは、自分が選ぶ道ではないと思ったからです。
「私自身が私の人生を自ら選び直し、今やりたいことをして、幸せを日々感じる暮らしをしている」
とはまさにこのことなのです。
消去法や受動で人生を選ぶことに終止符を打ち、どんな自分でもまず愛して、成長したい、貢献したいという自分の気持ちに正直になることで、
それまでのご縁とコーチングを通してたくさんのお仕事をさせてもらえるようになりました。
「好きなことしかしてません、やりたいことをやってます」
と言うと、よく「そんな都合よくいかない」なんて言われることがあるのですが、
それはきっと「やりたくないことさえなければ後はなんでもいい。特に目標とかはないけど、毎日適当に過ごせればいい」
という考え方と混同しているのだと思います。
前者は自ら選択し、成長と貢献があり、能動的です。
後者は人に選択され、惰性であり、受動的です。
僕はずっと後者の人生を過ごしてきました。
でも今は前者の人生を歩めるようになりました。
だからこそ、やりがいをもって毎日楽しく幸せに目標に向かって歩み続ける人生を手にしたのです。
成功の形は人によって違います。
だけど、誰しもの成功に共通する絶対的要因は「その状況が実現した時の自分を好きであること」です。
自分なりのそれを目標に設定することができたからこそ、今の自分があります。
コーチングは、ティーチングと違い、教えるのではなく引き出します。
だから、人に押し付けられた人生ではなく、自分が「本来こうしたかった」という姿を浮き彫りにしていくことができるのです。
世界には70億種類の正しさと思いがあります。
これからも、こうして縁あって学ぶことができたコーチングを駆使して、70億の価値観を浮き彫りにし、
目標設定、目標達成を通して、一人でも多くの方の「日々全身で幸せを感じられる人生」を手にいれるお手伝いをしていけたらと思っています。