なんかの本で読んだんです。
なんの本か忘れてしまって申し訳ないのですが、
ふいに思い出して、面白い話だなーと思って。
ある家庭があります。
その家庭には、幼稚園に行く前くらいの小さな子供と、お父さんとお母さんがいます。
ある日、お母さんがキッチンに向かっていて、
リビングにはお父さんと子供がいます。
お父さんと子供はテレビを見ていました。
すると、お父さんが浮きました。
浮くというのは、つまり文字通り浮きました。
床から1.8メートルくらいのところに浮き上がって、
横になって寝そべっています。
もう、床より天井に高いところに横になってテレビを見下ろしています。
子供は、大はしゃぎ!
「パパすごい!パパすごい!パパって飛べるんだね!!!すごいや!!!」
お父さんは、
「え?うん。飛べるよ。」
と当たり前のような感じで。
そこで、子供はママを呼びに行きます。
「ママー!パパが飛んでるよー!」
お母さんは、まったくこの子は何を言っているのかしらねー、
という感じでリビングに戻ってきました。
そして、本当に浮いているお父さんを見て、
「きゃーーーーーー!!!!」
悲鳴とともに卒倒。
というお話です。
さて、子供とお母さんが見たものは同じものだったんです。
だけど、反応が違いました。
これは子供とお母さんとそれぞれにとって、何がありで何がなしだったか、ということです。
子供にとっては、お父さんが飛ぶのはすごいけど、まあ、あり。
お母さんにとっては、人が浮くなんて絶対なし。
人はそうやって可能性に蓋をしていきます。
当たり前じゃんって思うかもしれませんが、
昔の人にとっては携帯もパソコンも飛行機も車も、
みんななしでした。
でも今はありです。
そして、それを作ってきたのは、僕たちと同じ、人間です。
もう一度、今「なし」だと思っているものは本当になしなのか、
見直してみても良いかもしれませんね。