USPという言葉をご存知でしょうか?
USPっていうのは、Unique Selling Propositionの略で、
日本語にすると、「独自の強み」ということです。
なら、独自の強みって言えばいいのに、と僕は思ってしまうんですけど、
少し前からこのUSPという言葉がいろんなところで聞かれます。
特に、起業支援をナリワイとしている人たちの界隈で。
独自の強み、すごく大事ですよね。
でも、独自の強みだからといって、それが売れる理由になるかといったらそういうわけではないんですよね。
当たり前ですが。
「その独自の強みを求める人」がいないと、ビジネスにはなり得ません。
そもそも、USPって、誰にとってもUSPなんですか?っていうところが大事なんですよね。
もしあなたが、
「誰よりも綺麗に波平ヘアーにカットすることができる美容師さん」という強みを持っていたとします。
中には物好きな人がいて、「波平ヘアー」にしてほしい、という人がいるかもしれません。
だけど、そんな人がそんなにたくさんいるでしょうか?
それは誰にとっても強みなのかといったら、
「波平ヘアーにしたい人」にとっての強みで、
もしそういう人がいなかったら、「自分が思い込んでいる強み」でしかないんです。
つまり、USPというのは、自分にとってのUSPではなくて、
相手にとってのUSPである必要があります。
よく起業支援とかをしている人が、
「あなたの生きてきた人生からあなたのオリジナルの商品を作るから、ものすごいUSPになります」
なんていうんですけど、
そりゃなるでしょうね。
自分にとってのUSPには。
でも、その商品を買う人が、世界に自分しかいなかったら。
その商品を買う人が、世界に3人しかいなかったら。
あなたはそれでもそれをビジネスにしますか?
誤解のないように言っておきますが、
ビジネスじゃないのならいいんです。
ボランティアでも趣味でもなんでもやればいいと思うんです。
でも、ビジネスは自分とお客さんの間に起きる関係のことです。
そこを無視して、
起業塾とか起業支援の人たちが、
「ビジネスにならないのをわかっている状態で」起業の支援なんかしたりしています。
そういうのには気をつけてほしいなーって思います。
facebookを見ていても、
「おいおい、これ本当にビジネスになるのかよ」
っていうビジネスを、誰かにそそのかされて立ち上げている人が結構います。
もしかしたら、僕の読みが甘いだけで、そのビジネスは大当たりするのかもしれません。
それはそれで素晴らしいことです。
ただ、そうなるかどうかわからないし、
そういう人の多くが、二度とfacebookで顔を見なくなったりします。
だから、せめて商品設計をする段階で、
リアルな顧客リサーチはしてほしいと思うんです。
調べたり聞いたりするだけでいいので。
決して自分の思い込みとか、妄想ではなく、
その商品を求める人がリアルにいるのかいないのか。
それは事前に調べておくことをお勧めします。