以前、クライアントさんと、こんな話をしました。
「自信がもてないんです」
「そうですか。自信を持ちたいんですか?」
「はい。持てるなら持ちたいです」
「そうですか。じゃあ自信を持ったらいいじゃないですか」
「いや、そうじゃなくて、自信が持てないんです」
「そうですか。自信を持ちたいんですか?」
「だから、そう言ってるじゃないですか」
「そうですか。じゃあ、自信を持ったらいいじゃないですか」
ちょっと、そのクライアントさんは怒り出してしまいそうな状況でした。
そこで、質問を変えました。
「どうしたら自信を持てると思いますか?」
「それは、結果を出すことができたらだと思います」
「なるほど。結果を出すことができたら自信を持てるんですね?では、今自信を持てなくて困っていることはなんですか?」
「それは、行動を起こせないことです」
「なるほど、そうですか。では、結果を出すためには何が必要ですか?」
「それは、行動だと思います」
「そうですか。つまり、自信を持つためには結果が必要。結果を出すためには行動が必要。行動を起こすためには自信が必要。そうお考えですか?」
「それは、たぶん、そういうことなんだと思います」
「では、自信には根拠が必要だと思いますか?」
「当たり前じゃないですか」
「当たり前なんですか?」
「だって、違うんですか?」
「どう思うんですか?」
「はい、自信には根拠が必要だと思います」
「そうですか。僕は自信には根拠は必要ないと思います」
「なぜですか?」
「なぜって、逆になぜ自信に根拠が必要だと思うんですか?」
「なぜって、だって必要じゃないですか」
「そうなんですか?僕には必要ないんですが」
「中野さんの場合は必要ないのかもしれませんが、私の場合は必要なんです」
「そうですか。じゃあ必要なんですね。それで、どうしたいんですか?」
「行動を起こして結果を出して、自信を持ちたいです」
「そうですか。じゃあそうしましょう」
「でも」
「でも?」
「その行動を起こす自信がないんです」
「自信に必要な根拠は何ですか?」
「結果です」
「新しいことをしようとしているのに、まだ存在しない結果に根拠を求めているように感じますが、違いますか?」
「確かに、そうかもしれません」
こんな会話がありました。
自信に根拠は必要ですか?