ずーっと前の話です。
僕が10代だった頃。
僕はよく、人の悩み相談みたいなことをやっていました。
人の話を聞いたり、その悩みを一緒に解決したりするのが好きだったのです。
今思えば、コーチはなるべくしてなったのかもしれません。
そのころ、
僕にこんなことを相談してくれた人がいました。
「友達に、言いたいことを言えない」
僕は何故なのかをいろいろと聞きました。
(コーチングとは違う手法ですね)
それで、いろいろと聞いた結果、
「言いたいことがあるなら、言ってみたらいいんじゃない?」
という結論に至りました。
その時、相談してくれた人が、
「本当に、言いたいことを全部言ってもいいの?」
と僕に言いました。
僕は、正体のわからない強い不安を覚えながらも、
「うーん、いいんじゃないかなー」
という返事をしました。
後日、その人が泣きながら
「あなたの言う通り言いたいことを全部言ったら、友達としての関係が破綻した」
というのです。
それを言って以降、その人は僕の前から姿を消しました。
正体のわからない強い不安が、正体を現したのでした。
なんとなくそうなるような予感がしていたのです。
でも、その時の僕は、それをどう伝えていいかわかりませんでした。
今はその正体がわかります。
それは、「他責」です。
つまり、
「私は、確かに言いたいことはあるけど、でも言っちゃったら友達との関係が悪くなるかもしれないから言えない、
でも、あなたが言っても大丈夫だっていうから、だから私は言う」
という感覚です。
その人とその友達との関係は、当然その人の責任です。
だけど、その友達に自分の責任で何かを伝えることができなかったから、
「あなたが言っても大丈夫だって言った」という他責の要因が欲しかったのです。
こういうこと、大人でもありませんか?