どうしたいですか?
私がお仕事をさせていただく上でもっとも大切にしていることは、
お客様が
「どうしたいのか」
です。
そんなことは当たり前じゃないか、と思われるかもしれませんが、
コーチング的な視点で見たときには決して当たり前ではありません。
その理由は大きくわけて二つです。
- お客様の言っていることが本当のお客様の望みではないこと
- 「どうしたいのか」と「どうしたらいいのか」がごっちゃになっていること
1.お客様の言っていることが本当の望みではないこと
例えば、「webサイトを作りたいんだけど」というお客様がいて、
業者「どんなのをつくりたいですか?」
お客様「なんか、お客さんが集まりそうな、青くて、信頼感のある感じで」
業者「そうですか、こんな感じのテンプレートがありますが、どれがいいですか?」
お客様「じゃあ、これがいいかなー」
業者「わかりました、それではここに入れる写真と、ここに入れる文章を提出してください」
お客様「はい、わかりました」
こういうやりとりが業者とお客様の間でよく起こる実際のやりとりです。
私の場合はここで「どうしたいのか」を重要視します。
「どうしたいのか」は、webサイトを作りたい、とか青くしたいとか、そういうことではありません。
「どうしたいのか」は「作った結果、会社がどうなってほしいのか」です。
もっと言えば、「会社がそうなった結果、自分はどうなりたいのか」です。
お客様は望みを内在しています。
そして、そこに幾つかのフィルターをかけて、業者に伝えます。
その望みの80%は無意識です。
そこで私はコーチングのスキルを活用し、その望みを引き出していくことで、
お客様が本来ありたい状態に導いていきます。
2.「どうしたいのか」と「どうしたらいいのか」がごっちゃになっていること
よく、お客様から「どうしたらいいでしょうか?」という質問を受けます。
そういうとき私は「どうしたらいいの前に、どうしたいですか?」
と聞きます。
たいていのお客様はぽかーんとされます。
しかし、一度考えていただきたいのです。
どうしたらいいのか、はあくまで手段です。
手段の前には目的があります。
目的が「どうしたいのか」です。
なので、先に「どうしたいのか」を確認します。
しかし、いきなりどうしたいですか、なんて聞かれてもそうそう答えは出てきません。
あまり考えたことがない方が殆どだからです。
そこで無理やりその場しのぎ的な答えを出されてもコーチング的にはあまり効果的ではありません。
そこでコーチングスキルを用いるコーチとしては、質問を効果的に変えていきます。
例えば、
「何もかも許されるのならば、どうしたいですか?」
「大切にしている価値観はなんですか?」
「人からどんな風な人だと思われたいですか?」
「本当は、どうしたいですか?」
などなどです。
こんな風にして、お客様の本来ありたい姿をあぶり出し、引き出していきます。
そしてそれがある程度定まってからようやく、
「ではどうしたらいいでしょうか」
というステップに移れるのです。
最終的に喜んでいただくために
なんだかまどろっこしいことをやっているな、と思われるかもしれません。
しかし、「どうしたいのか」を明確にすることにより、最終的にお客様に喜んでいただけるお仕事ができると、私は信じています。
これは、マーケティング業務でも、コーチング業務でも、ファシリテーション業務でも全て同じです。
現代を生きる日本人の多くが、既成概念や常識、様々な決まりにとらわれ、
「どうしたいのか」より「何が正しく、どうすれば間違いでないか」に注目します。
しかし、それではコモディティ化(陳腐化)が進むだけだと考えます。
あなたとだからできるお仕事として、あなたとだから作れる世界で唯一のものを作りたい、
それがオンリーワンの武器になる、と私は考えています。
これからもお客様の「どうしたいのか」を大切に邁進いたします。