ぬらりひょんってなんだ。
いや、妖怪だ。
それはわかってる。
のっぺらぼうっていったら、顔のパーツがないやつだ。
砂かけばばあって言ったら砂をかけてくる。迷惑だ。
子泣きじじいと言ったら、年甲斐もなく赤ん坊のようになく。
猫むすめは猫みたいなむすめだし、
ねずみ男といえばねずみみたいな男。
からかさおばけは傘だろう。
泥田坊といったら田んぼの中からでてくる。
さがりっていったら、馬の頭部だけのやつの頭に人間の腕がくっついてて木の枝にぶら下がってるからさがり。
うわんなんてやつもいる。
たしか墓場にいて、通りがかった人に「うわん!」といきなり声をかけてくる。
それに対して「うわん」と言葉を返さないと、お墓に引きづり込まれる、とかなんとか。
だから、間違っても左腕なんて答えてはいけないのだ。
百々目鬼(どどめき)といったら全身に目がいっぱいあるし、
目目連(もくもくれん)といったら障子に目がいっぱいある。
他にどんなのがいたかなと思いwikipediaで「日本の妖怪」と調べたが、
とんでもない量が出てきて見るのをやめた。
さて、ぬらりひょんである。
こいつはなんなのだ。
名は体を表すというが、
ぬらりで、ひょん、である。
こりゃまいった。
ろくろくびといえば、首が伸びるだろう。
と、あれ?
ろくろってろくろ回しのろくろのことだろう。
それならろくろくびは、首がぐるぐる回らないとおかしいではないか。
これは調べなければならない。
ということで調べてみると、
「ろくろを回して陶器を作る際の感触」
と書かれている。
感触?
陶器を作る際の感触で、首が伸びる?
ちょっとよくわからない。
でも一つわかったことがある。
とある洋画で、ろくろを回す有名なシーンがある。
あの映画のタイトルを覚えているだろうか。
そう、ゴーストである。
つまり、ゴーストとはろくろくびのことだったのではなかろうか。
と書いてはみたものの、ろくろくびは亡霊ではなく妖怪なので、
ゴーストではなくモンスターだろう。
この件に関してはいずれ正式に謝罪したい。
さて、前回に続き盛大に脱線している。
ぬらりひょんである。
僕がぬらりひょんを知ったのは、ゲゲゲの鬼太郎が最初だ。
というか、それくらいしかぬらりひょんという存在を知らない。
そして、名は体を表す妖怪の妖怪たる特徴が、
ぬらりひょんにはないように思う。
ただ、とにかく偉そうだったという記憶がある。
悪い妖怪のリーダー、のような印象だ。
決して、新しい学校のリーダーズではない。
杖を持った背の低い、頭が後ろに長い偉そうなおじいちゃん。
それが僕のぬらりひょん評である。
そうなってくると、
なんかもう近所にいるんじゃないか、という気がしてくる。
本当にいると怖いので、きちんと調べることにした。
調べてみたところ一番最初に出てくるのが、
ひょうたんナマズのように捕まえどころがない化け物、と出てくる。
ひょうたんナマズの時点でわからない。
そして、特徴的な形状をしたハゲ頭の老人、と解説されている。
そして、名前の由来がwikipediaでは見つからなかった。
このままでは気味が悪いので、
今をときめくchatGPTにも聞いてみることにした。
するとこのように返ってきた。
「ぬらぬらとした感じや、ひょんとした形からきていると言われています」
もういい加減にしてほしい。
名前の由来もわからず、このままでは本当に、
杖を持った背の低い、頭が後ろに長い偉そうなおじいちゃんである。
ので、名前の由来を調べるのは諦めて、
このおじいちゃんがどんな悪さをするのかを調べることにした。
すると、驚きの実態が明らかになったのである。
「家の者が忙しくしている夕方時などにどこからともなく家に入り、茶や煙草を飲んだり自分の家のようにふるまい、家の者が目撃しても『この人はこの家の主だ』と思ってしまうため、追い出すことはできない、またはその存在に気づかない」
え、こわいんだけど。
つまり、
家の者が忙しくしている夕方時などにどこからともなく家に入り、茶や煙草を飲んだり自分の家のようにふるまう、杖を持った背の低い、頭が後ろに長い偉そうなおじいちゃん。
それがぬらりひょんということなのだ。
いるよ。
きっといる。
普通にいる。
たぶん、本当の家族が探してる。