伊勢海老っていうのが、あんまり好きじゃない。
何が好きじゃないって言われるとすごく難しいのだが。
味は好きだ。
文句なしに美味しいじゃないか。
と書きながら、
でも伊勢海老なんて、そんなに何度も食べたことはないな、とも思う。
伊勢海老の何が苦手なのか。
まず、形がちょっと怖い。
他のエビと違う。
2本の長いツノがびよーーーーーんって生えていて、
なんか触角みたいだ。
それに、
頭の形がなんか唐突というか、
やっぱり他のエビと違う。
なんて言えばいいんだろう。
うまく表現できないのだけど、
顔面からいきなりツノが生えているような感じというか、
顔がなくて、顔があるべきところが二つに分かれてそのまま触角になっていくというか。
形としてなんか妙にアンバランスに感じて怖い。
そして単純に、
なんかすごくでかい。
体全体がでかくて怖い。
よく、伊勢海老を手で持ってる写真なんかをみたりするけど、
怖くないのかなってすごく不思議に思う。
トゲトゲして痛そうだし。
万が一反撃してきたら多分勝てない。
伊勢海老に押し倒されて、
数ある腕で僕の手足の自由を奪った上で、
どこが顔なのかよくわからない顔を僕に近づけて、
その触角を僕の鼻の穴に、、、
ぎゃーーーーーー。
伊勢海老はやっぱり怖い。
でかい。
そして僕にとって伊勢海老の一番気に入らないところは、
そのでかさにも関係している。
何が一番気に入らないのかというと、
「食べるところが少ない」
もうこれに尽きる。
あんなでかい体のくせして、
頭の部分が全体の半分くらいを占めてるものだから、
肝心な食べるところが全体から見るとすごく小さく見える。
そもそもが高価でありがたがって食べるような食材なのだから、
可食部分くらいたくさんあればいいのに、
実際食べてみると、あれ、こんなもん?ってなってしまう。
それに引き換え、居酒屋で出てくるほっけの塩焼きはどうだ。
全身全部食べるところじゃないか。
しかもうまい。
伊勢海老とほっけと、どっちの方が美味しいだろうか。
これはくらべるものじゃない。
でも、
トータルバランスで考えたら、ほっけじゃないだろうか。
伊勢海老には申し訳ないけど、
怖さ、デカさを受け入れてもあまりあるような身の多さがない。
居酒屋のほっけはでかい方が嬉しいし、怖くないし、うまい。
となれば、これはもう圧倒的にほっけである。
なんて、そんなことばかり言ってはいけない、と今反省した。
僕は伊勢海老のことを大して知らないのに文句を言ってるじゃないか、
もっと伊勢海老のことを知ってから、あれこれ言ってもいいんじゃないか、と。
それで少し、伊勢海老について調べてみたんですよね。
そしたら、
第二触角の根元には発音器があり、つかまれると関節をギイギイと鳴らして威嚇音を出す。
って。
伊勢海老、鳴くのかよ。
もうほんと怖いよ伊勢海老。