「家で卓球ができるなんていいですね!」
これはしょっちゅう言ってもらえる言葉です。
というのも、
僕が住んでるマンションには「スタジオ」と呼ばれる部屋があって、
そこは予約制で使えるようになっていて、
ヨガやダンスなどにも使われているのですが、
卓球台もあるので、僕はだいたいいつもそこで練習をしているんです。
だから、
「中野さんちには卓球台がある」
ということになっています。
まあ、壁4面のうち、1面は鏡、2面は窓ガラスになっていて、しかもカーテンがないので、
昼間明るいうちは外の明るさとピンポン球の白が被ってしまい、
全然ボールが見えないので、必然的に使うのは夜だけだったりするのですが。
それでも、
そんなに不満なく、むしろ非常にありがたく使わせてもらっています。
が、
どうしても非常に卓球の練習が難しくなる時があります。
それは、季節の変わり目です。
実はそのスタジオというのは、
ジムの奥の別室として存在しています。
完全に仕切られているので完全に別室ではあるのですが、
実はあるものだけが共有状態になってるんです。
それが、空調です。
そして、その空調の親機がジム側に設定されているんです。
ちょっとわかりづらいのでもう少し説明すると、
ジムの方で「暖房」と設定すると、
卓球台のあるスタジオも自動的に「暖房」しか設定できなくなるんです。
「冷房」なら「冷房」
「送風」なら「送風」
といった具合に。
これがはっきりと寒い冬なら問題ないし、
はっきりと暑い夏ならこれも問題ないんです。
だけど、季節の変わり目、
暑いのか寒いのかはっきりしない時。
これが困るんです。
あとで書くように、卓球というのはとにかく湿気が大敵のスポーツなので、
寒くなければ基本的には冷房を入れて、部屋を乾燥させておきたいんです。
が、
こちらが冷房でスタートしても、
気づかないうちにあとからジムに入ってきた人が、
「暖房」とか「送風」とかにセッティングしてしまうと、
こちらも自動的に「暖房」とか「送風」とかに変わってしまうんです。
卓球って想像以上に激しいスポーツなので、
そこからはもう汗だくです。
汗だくだけならまだいいんです。
これが、スタジオ内の湿度をどんどんと上げていってしまうんです。
「あーー、ね。蒸し暑いと辛いですよね」
なんて思われるかもしれませんが、
そんな話じゃないんです。
蒸し暑いのは全然いい。
そうじゃないんです。
部屋の湿度が上がることが問題なんです。
さっきもちょろっと言いましたが、
卓球にとって湿気は大敵なんです。
それはどういうことなのか。
卓球というのは回転の競技です。
ゴム製のラバーでプラスチック製のボールに回転をかけてボールを打球します。
このラバーはだいたい回転をかけやすくできています。
ということは、相手のボールを返球する時にも、
その回転の影響を受けながら、そしてそれを考慮しながら返球する、ということになります。
これが、湿気が多くなると、
その湿気でラバーがスリップしてしまい、ボールに回転をかけられなくなります。
そして、相手のボールに対する返球も、
普段は相手のボールの回転量を考慮して打っているので、
普段通りのつもりで返球しようとすると、
相手のボールの回転量が足りなかったり、こちらのラバーがスリップしたりで、
まともな返球ができなくなってしまうんです。
あんまり説明してもわかりづらいと思うので簡単にまとめると、
とにかく湿気があると、いつも通りのまともなプレーができなくなり、
卓球がぐちゃぐちゃになってしまうんです。
卓球ってめちゃくちゃ繊細なんですよね。
僕は前々から言ってるのですが、
「湿気の影響を全く受けないラバー」みたいのを開発したら、
特に日本では絶対売れると思うんです。
卓球が盛んな諸外国の中でも、
日本の湿気ってかなり群を抜いているらしく。
先日もオランダの方と練習した時に、
ほとんど英語で話しているのに時々、
「シッケ」と、そこだけ日本語で言っているんです。
それだけ、
日本の湿気って海外のプレーヤーから見た時に異常ってことなんでしょうね。