【す】すっぱいの話

すっぱいものが苦手である。

ゆえに果物もあまり食べない。

唯一好んで食べる果物といえば、梨である。

その梨ですら、最近はあまり食べない。

 

とにかくすっぱいものがあまり得意ではない。

 

例えば餃子を食べる時も、

醤油にラー油を入れるだけで、お酢入れない。

 

時々、お酢と胡椒だけで餃子を食べる人がいるが、

本当にすごいと思う。

 

お祝いでケーキなんかを食べる時も、

極力イチゴとかフルーツが入っていないものがいい。

 

例えば、酢豚なんかも酸っぱくない方がいい。

それはもはや酢豚なのかわからないが、

でも酸っぱくない方がいいのだ。

 

サラダのドレッシングなんかも、

あんまりお酢が入っていないものがいい。

 

なんなら、オリーブオイルと塩胡椒でもいいくらいだ。

 

この間、薬膳の先生から仕入れた情報によると、

赤ちゃんは苦味があるものは未熟なもの、酸味があるものは傷んだもの、

と判断するらしい。

 

ってことは、

そもそも酸味があるものっていうのは、

あんまり良くないんじゃないか、

と、そういう認識を世の中に流布していこうとすら思う。

 

いや思わない。

 

でも、なんで赤ちゃんはそう思うのだろう。

 

すっぱいものが全て傷んでいるというわけでは当然ない。

 

あー、だけど、すっぱいものの中には、

傷んでいるものがある可能性もあるから、

ということか。

 

人間の本能というのはすごいなと思う。

 

そうそうそれで思い出したのだけど、

うちにはいま2歳半になる息子がいる。

 

これが可愛い。

 

なんというか、

自分が親だから可愛いというのではなくて、

客観的に見て一番可愛いのだ。

 

これは解釈ではなく事実である。

 

そんな息子に、である。

 

生まれて初めてレモンをかじらせる、ということをしたことがある。

 

よくSNSの動画などで見たことがあると思う。

幼子に、レモンをかじらせて、

悶絶する表情を動画に収める、というもの。

 

息子には悪いが、あれをやってみたかったのだ。

 

カットレモンを用意して、

カメラを構えて、

息子にレモンを手渡す。

 

(おお、フルーツだ)

というような顔をして、嬉しそうに受け取る息子。

 

ちょっとごめん、と思うが、

でももう本人も食べたがっているし、

何事も経験と言い聞かせ、

そのままなりゆきに任せる。

 

しげしげとカットレモンを観察したのち、

口に運ぶ息子。

 

くるぞくるぞくるぞ。

 

罪悪感とワクワクが共存する妙な気持ちを抱えながら、

息子を見守る。

 

パク。

 

もぐもぐもぐもぐ。

 

パク。

 

もぐもぐもぐもぐ。

 

「うまー」

 

え!!!!

 

美味しいの!!!???

 

ということで、

すっぱいものが苦手な僕ですが、

息子はすっぱいものが割と好きなようです。

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