前回までのメルマガで、
キャッチコピーとコンセプトの違い、
アイディアとコンセプトの違い
テーマとコンセプトの違い
についてお話ししました。
よくある流れとしては、
あるテーマ(お題)について考えたり話したりしていたときに、
「これってこういうふうにしたらいいんじゃない?」みたいなアイディア(ひらめき)が生まれて、
「このアイディアってどんなふうにお客さんの価値になるだろうか」と考えることでコンセプトが生まれ、
そのコンセプトをもとに商品やサービスが生まれます。
そして、その商品やサービスを魅力的に伝えるための言葉として、
キャッチコピーが生まれるわけです。
こう考えると、
「コンセプト」というものがどこに存在するのか、
ということが分かってきますよね。
そして、このコンセプトというものが、
「モノやコトについて、全体を貫く新しい観点」だということが腑に落ちると、
売れるコンセプトを作りやすくなります。
つまり、売れる商品やサービスを作りやすくなる。
あえて下衆にいうならば、その分稼げる、とも言えます。
なぜなら、
お金というのは「価値の対価」だからです。
お客さんに「価値」を届けるから、
お金をいただくことができる。
当たり前と言えば当たり前のことですが、
多くの人が忘れてしまっていることだったりします。
そして、
新たにコンセプトを考えるというのは、
「モノやコトに新たな価値ある意味を持たせる」
ということでもあります。
例えば、です。
先日僕は家族でお台場のアクアシティーに行きました。
そこで「フライングタイガー」というお店になんとなく入ったんです。
そこで、ある感動的な出会いをしました。
それは何か。
砂時計が売っていたんです。
「え?砂時計?砂時計がどうしたの?」
って、思いますよね。
あなたは、砂時計が200円で売ってたら買いますか?
なんの変哲もないただの砂時計です。
まあ、下手すりゃダイソーで100円で売ってるかもしれません。
でもフライングタイガーでは200円で売ってました。
さあ、買いますか?
多分買わないですね。
なぜか。
「買う意味がないから」です。
人は、自分にとって買う意味がなかったら、
その商品やサービスを買おうとしません。
当たり前のことですよね。
ですが、
僕はそこで販売されていた砂時計に感動したんです。
それはなぜなのか。
その砂時計のパッケージに、
幼稚園児くらいの子どもが歯を磨いている写真が載っていたからです。
商品名のところには英語で、
「brush your teeth hourglass」
要するに「歯磨き用砂時計」です。
これを見たときに、
ストーリーが浮かびますよね?
洗面台に、かわいい歯ブラシと一緒に、この砂時計が置いてある。
お母さんが、
「いい?この砂が全部落ちるまで、しっかり歯を磨くのよ」
なんてことを言うわけです。
ただただ歯を磨けって言われるだけだとちょっと嫌がっていた子が、
この砂時計を見ながらだと、嬉しそうに歯を磨く。
どうでしょう。
これが、100均の棚に雑然とただ砂時計が置かれているだけじゃ、
100円でもなかなか売れません。意味がないからです。
「砂時計を買おう」と思っていた人しか買わないでしょう。
でも、
売り場でふと、子どもが歯を磨いている写真のパッケージで、
砂時計が売っている。
これってつまり、ただの砂時計に「新たな価値ある意味」を生み出している、
ということなんです。
コンセプトメイキングって、こういうことなんですよ。
新たな価値ある意味を生み出すこと。
これができれば、価格競争にならないんです。
どうしたら、そんなコンセプトが作れるようになるのか、というお話は、
また今後していこうと思います。